毎年継続して調査をすることは、大変重要なことですが、何も手を打たないでいると、かえって不満を助長させることに繋がってしまいます。
企画立案‥その組織においてどのような制度や仕組み、体制や教育が必要かについて、分析検討し企画します。
提案‥組織の意思決定を行う人事部や経営層に対して説得力を持つよう、提案内容は事実やデータに基づいて作成し、従業員のために適切な施策を提案します。
教育‥必要に応じて研修を行いますが、特に職場のキーパーソンとなる管理監督者に対する研修は重要です。社員教育を担当する部署に積極的に働きかけ、研修の必要性を提起していくことも有用です。
できることはすぐに対応‥工場の意識調査で、「工場の出入り口が暗い」という社員の声があったら、すぐに電球を取り替え、「今回の従業員満足度調査から対応いたしました。」と掲示板に開示し、対応を公表していくことが必要です。
フィードバックの必要性
経営層はもちろんのこと、回答された全従業員に対して調査結果をレビューしましょう。
従業員は、忙しい中からアンケート調査の回答をおこなったという気持ちがあります。そのため、早い段階でのフィードバックが必要です。
フィードバックの方法には、職場会議や個別面談、あるいは社内の掲示板、イントラネットによるものなど、いろいろな方法が考えられます。
しかし、ここで重要なのは、早い段階でのアクションです。今後の方針改善へと発展し、フィードバック結果から、職場内で改善できることについて、従業員と上司が話し合いの場を持つことが大切だと思います。
職場のメンバーが協力し合うことで、コミュニケーションや職場環境が良くなり、ミスやクレームが減り、生産性の向上が期待できます。
フィードバックの注意点
調査結果の活用
調査結果から得られた中で、一つでも改善できることを探しだし、翌年の経営方針や企業戦略として取り組みましょう。
重点改善項目(ESポートフォリオ分析)になった事柄について、職場毎に改善できるものを一つ探し出して、改善テーマとして1年間取り組みましょう。
目標設定をすることでコミュニケーションアップにもつながり、従業員の会社に対する志気が高まります。
結果の活用例
調査内容の工夫(2回目以降)
減らす設問
ポートフォリオ(相関)分析などを利用して、重要度の低い項目を見直し、減らしていきます。
現状の把握として、必要な設問は残しましょう。
増やす(充実させる)設問
重点改善項目で、対策を打つ必要がある項目については、いくつか仮説を立て、調査により裏付けを明らかにしていきます。
例えば人事制度のように対応が困難な項目については、「制度をきちんと理解しているか」、「運用がきちんとできているか」など問題点はどこにあるのかの設問にテーマを絞るのも良いでしょう。
組織が新たに取り組んだことについては、従業員の意識が変わってきているのか、それが行動の変化に結びついているかを把握します。
重要で満足している項目について、満足要因を明らかにし、組織の光り物にしていきましょう。
自由記入項目の改善
質問項目の自由記入の取り方も検討します。
公開用ならば、注意書きをします。目標や建設的な内容にすることで、冊子にして従業員で共有することもモチベーションアップのため有効です。
(例) 所属部門/役職/等級を伏せた上で、内容を後日社内で公開する可能性があります。予めご了承いただいた上でご記入ください。
建設的な意見の収集
個人の目標の明示